【北前船が遺したもの】東洋一の木都・能代の栄華を伝える「旧料亭 金勇」

 海と日本PROJECT in 秋田県

かつて北前船が実在した当時、能代市内には製材工場が立ち並び、その材木は国内だけでなく海外にまで輸出され、能代は「東洋一の木都(もくと)」と呼ばれていました。

 

米代川の河口に位置する能代市は、秋田杉の製材を中心とした木材加工で発展。

明治中期、秋田木材株式会社を設立した井坂直幹(いわか・なおもと)が導入した機械製材によって、木材加工業が急速に成長したのです。

 

能代市に現存する「旧料亭 金勇」。

創業は明治23年。その後、建物が全焼し建て替えもされているため、北前船が現存した当時に建てられたものではないながらも、かつて「東洋一の木都(もくと)」と呼ばれた栄華を、現代に伝える天然秋田杉の殿堂です。

樹齢260年以上、直径2メートル級の天然秋田杉を使用した2階「大広間」は、まさに圧巻。根元部分から斜めに切り出したという畳一畳の木目板を卍型に配した「四畳半仕切り格(ごう)天井」は、思わず息をのむほどの職人技。

幅5間半の格調高い床の間には、十和田湖畔から伐り出されたというイタヤカエデの床柱が、どっしりと独特の存在感を放ちます。

丹念に磨き上げられた贅沢な床柱もまた必見です。

能代市「旧料亭 金勇」

  1. 天井の一枚板が見事な「満月の間」
  2. 窓から眺める庭の景色もまた趣深い
  3. 外観・門構えもまた一見の価値あり

1階「満月の間」は、1本の木から5枚しか取れなかったという長さ5間(9.1m)の中目天井板。

木挽き職人が1枚に3日もの時間をかけて挽いたという一枚板は、まさにため息もの。

長尺の長押も産地ならではという「東洋一の木都(もくと)」に相応しい贅沢な造りに、ひとたび訪れたなら圧倒されるはず。

昭和12年に新館として建てられたこの建物は、栄華を極めた材木界の迎賓館として関係者をもてなしてきた歴史があるのですから、納得ですね。

貴重な歴史的建築物として、平成10年に国登録有形文化財に登録された「旧料亭 金勇」。

天然秋田杉の良材を惜しみなく使用した上品で贅沢な造りは、時代を超えて、木都の栄華を現代に伝え、その美しさで人々を魅了しています。

【能代市 旧料亭 金勇】

能代市柳町13-8

Tel.0185-55-3355

www.kaneyu.jp

イベント名東洋一の木都・能代の栄華を現代に伝える「旧料亭 金勇」

レポーター紹介

今絵うるは
メガネライター。編集者。構成作家。東京生まれ、青森育ち、秋田市在住。東北地方有数の港町である八戸市で、潮の香りと山背を感じながら育ったため、海や海風、潮の香りがあると心が安らぐ。昨年の「海と日本PROJECT」では秋田県内の海沿いを取材にまわり、海に関わる方々の「懐の深さ」と「器の大きさ」に感動。
この取材をきっかけに、夏は子連れで海のイベントをはしご、すっかり海が好きになってしまいました。秋田の海最高!
https://www.facebook.com/imaeuruha

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