毎年6月も半ばを過ぎると、境内に海のように広がる雲昌寺ブルーの季節を迎えます。
あじさいと日本海と空との饗宴による、まさに青の絶景。
鮮やかさと深みを併せ持つ不思議な青。
幻想的に広がる青の海は、雲昌寺ブルーと呼ばれ、毎年この季節を楽しみにするファンが急増中です。いまや雲昌寺は、秋田の青の絶景として全国にその名を知られる人気スポットとなりました。
境内には、およそ1200株以上のあじさいが咲き誇り、その美しい青で包むように、私たちを迎えてくれます。
あじさいを植え始めたのは、副住職の古仲宗雲(しゅううん)氏。
あじさいと会話をするように、ひとつひとつ丁寧に手作業で剪定作業を行うのも副住職のこだわりです。これだけ多くの数のあじさいを相手に、機械を使わず手入れするのは大変なのではないかと尋ねると、副住職は笑って「機械で一気に均等に切ってしまう方法もあるのだろうけれど、機械に切られたらきっと痛いでしょう。人間だって同じですからね」と語ります。
副住職が、15年という長い歳月をかけて創り出した、雲昌寺ブルー。
それは、境内に咲く一株のあじさいから始まったのです。
26歳で修業から戻り、30歳で結婚。翌年には子宝に恵まれました。
それから2~3年経った、ある日のこと。
一株のあじさいが目に留まり、その美しい青に心を奪われたといいます。
それまで、その存在にも気づいていなかったのが不思議なほど美しい青だったと、副住職は当時を振り返ります。あまりの美しさに、その一枝を部屋に飾ると、室内の明かりに照らされ、陽の光の下とはまた違った碧さに感動したのだそうです。
当時といえば、ちょうどお子さんが家の周りで外遊びを楽しみ、一緒に過ごす親も目線が下がる頃。
「いま思えば、祖母か誰かが植えていたのでしょうね。若かった私は、この美しい青に気づかなかった」と話します。
それから、一株ずつ挿し木をして、あじさいを増やし続けて15年余りの歳月が経ちました。
副住職を支えているのは、美しい青を放つ「雲昌寺ブルー」と「地元・男鹿への想い」。
男鹿北浦に「雲昌寺ブルー」が広がって、少しでも多くの人に足を運んでもらえたら-。
あじさいをきっかけに、「男鹿」を好きになってほしい-。
その想いはいま、多くの人々に伝わり、全国から注目される人気スポットへと成長。
地元・男鹿にも新たな風を起こしはじめています。
男鹿あじさい寺(雲昌寺)
あじさい観覧期間:7月22日(日)まで
あじさい観覧料:300円
※協力金として ※中学生以下無料
拝観時間:平日は、午前9時~午後5時
土日祝日は、午前9時~午後6時
イベント名 | 【男鹿あじさい寺特集】雲昌寺ブルーができるまで |