海の取材をするようになり、海に関わるいろんな方々とお会いすると、なんだかんだと山の話になることが多く、じゃぁ取材してみよう!ということになったわけなのですが、こうして5回にわたって考えてみると、海は海、山は山、なんていう風に捉えることのできないものだということが分かってきました。
しかし、たとえば、豊かな森林の広葉樹から葉が落ちて腐葉土になり、そこを通った雨水等が「フラボ酸鉄」を含んでいるから、海の植物プランクトンが増えて…というような話をすると、こんな声が返ってくることが多いものです。
●その成分が海に辿り着くまで、どのくらい減るのか検証しないと…
●どうせ川や海は昔よりきれいじゃないし、そんなこと言っても…
たしかに海ゴミの8割は「生活ゴミ」で、人間は昔のままのきれいな海を守れていないかもしれません。「フラボ酸鉄」どころじゃないじゃん!と言いたくなる気持ちも、分からないわけではありません。
けれど、たしかに秋田の海は美しいし、私たちはそれに感動する。
いまも昔も、自然がもたらす生態系サービスと、そのメカニズムはかわりません。
かわらず、静かに、脈々と、自然はそのメカニズムで動き続けているのです。
そして、海のゴミは減らせます。人間の意識によるものだから。
海への議論の軸足を一度原点に戻してみることで、議論が前向きになるのではないかー。
そんな風に思い、この記事を書くことにしました。
私たち日本人は海に囲まれて暮らしていて、秋田の海には、海と大きく関わりながら暮らし、海とともに生き、海を楽しむ多くの方々がいらっしゃいます。
県内各地では、川や海辺のクリーンアップが行われていたり、ブナなどの広葉樹の植樹活動も行われています。
昔のようなきれいな海を取り戻すために。
ちょっとしたことから、私たちにできることは、いろいろあります。
海にゴミを捨てない、ゴミを見つけたら拾う、油や洗剤を流しすぎない、クリーンアップに参加してみる、植樹活動に参加してみる、魚の美味しさを知る、釣りをする、魚を食べる、魚をさばいてみる、砂でアートをしてみる、海の祭りに燃える、船を見に行く、豪華客船に憧れる、船に乗ってみる、漁師体験をしてみる、水族館で魚を見る、海に関わる仕事について調べてみるetc…
そうやって、もしも、もっと海を好きになったら、
子どもたちにも、海の楽しさ、美しさ、その付き合い方を伝える。
そんな風に海を好きになったら、きっとあなたと海の接点は少しずつ増えていく。
そしたら、いまよりもっと海が好きになって、きっと秋田の豊かな海を未来へと受け継ぐことができるのではないかと思います。
だからあなたも、ちょっとしたことから、はじめてみませんか?
せっかく海に囲まれた日本に暮らし、美しい海の景色や恵みに出合うことができるのだから。
そして、秋田の豊かな海を未来へ受け継いでいけるように-。
イベント名 | 【秋田の海が豊かな理由5】豊かな海を未来へ受け継ぐために |
メガネライター。編集者。構成作家。東京生まれ、青森育ち、秋田市在住。東北地方有数の港町である八戸市で、潮の香りと山背を感じながら育ったため、海や海風、潮の香りがあると心が安らぐ。昨年の「海と日本PROJECT」では秋田県内の海沿いを取材にまわり、海に関わる方々の「懐の深さ」と「器の大きさ」に感動。
この取材をきっかけに、夏は子連れで海のイベントをはしご、すっかり海が好きになってしまいました。秋田の海最高!
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