私たちは、海に囲まれた日本に暮らしています。
海は様々なかたちで私たち日本人の暮らしを支えてくれています。
海の恵みをいただき、海に癒され、海にワクワクし、関わりながら生きています。
「海と日本プロジェクト」は、そんな海を楽しみながら守り、未来の子どもたちに受け継いでいくために、できることを考え、アクションを広げていこうというオールジャパンのプロジェクトです。
昨年から取材を通じて、夏の海イベントをはしごしたり、秋田の海に関わる方々にお会いしてお話を伺うことができました。
取材をしてみると、これまで知らなかったことがたくさんありました。
思っていた以上に、毎年、多くの方々がクリーンアップ活動をしてくださっていて驚きました。そして、そのおかげで夏のきれいな海が楽しめるんだなと改めて感じました。
秋田県の水産振興センターでは、真冬の冷たい海に潜って秋田の海の調査をしていたり、歴代のハタハタ博士がハタハタ研究に尽力していたりします。
そして、国土交通省・秋田港湾事務所には、秋田の港から経済を支えようという若者がいたりと、海を守るお仕事に関わる方々の熱い想いに触れることもできました。
また、今年の「海と日本プロジェクト」では、4月に文化庁より日本遺産に認定された「北前船」が大きなテーマでした。
私自身も取材を通じて勉強になりましたし、7月には「北前船こども調査団」として秋田の子どもたちが、秋田市・土崎のまち歩き、専門家の方のお話などを通じて調査結果をまとめたり、8月には小樽で北前船が寄港した各地の子どもたちが集まって「北前船 北海道こどもサミット」が開催され、私も秋田の代表チームの子どもたちと一緒に参加してきました。
北前船は、江戸時代から明治にかけて日本海航路によって物流を担っていましたが、当時の能代は銅の積み出し量が日本一で、能代から運ばれた銅は国際通貨として流通していた3分の1から半数を占めたといわれています。
秋田の銅といえば阿仁銅山が有名ですが、阿仁川から米代川を舟で下って能代港へ運び、北前船で大坂(当時は坂)、長崎へ。そこからオランダへ渡り、日本の銅を使って覇権を争ったのだそうです。そういう話を知ると、改めて秋田ってすごいなと思いますし、とても興味深く感じますね!
さらに、ご存知の方も多いと思いますが、ユネスコの無形文化遺産に登録された土崎港曳山まつりのルーツにも北前船が関わっていますよね。
このお祭りは別名「かすべ祭り」とも呼ばれていますが、かすべは北海道から北前船で運ばれていました。こうしてみると、私たちの生活の中にもたくさんの北前船との関わりが残っていて面白いですね。
いまや、全国的にも注目のスポットになった「男鹿のあじさい寺」をはじめ、澄んだ水が本当に気持ちのいい白神八峰町の海など、秋田には、本当に綺麗な場所がたくさんあるのだと再発見できました。
そして、海辺には多くの漁師の方々が暮らしていて、漁に出て季節の魚を捕ってくれるから、私たちの食卓に魚が並ぶ。流通が便利になって、いろいろな土地の魚が入ってくるようになったとしても、ベースとなる地域のフローは変わらないのだと実感できました。
こうして思いつくままに書き出してみても、秋田の海の素敵なところがたくさん出てきます。実際に、海と日本プロジェクトの取材を通じて、改めて、秋田の海は素晴らしい!と思える多くの出合いがありました。
「海と日本プロジェクト」をきっかけに、秋田の豊かな海と恵みを守り、未来の子どもたちに受け継いでいくために何ができるかを考える機会となっていただけたら、嬉しいです。
イベント名 | 秋田の海の魅力 |
メガネライター。編集者。構成作家。東京生まれ、青森育ち、秋田市在住。東北地方有数の港町である八戸市で、潮の香りと山背を感じながら育ったため、海や海風、潮の香りがあると心が安らぐ。昨年の「海と日本PROJECT」では秋田県内の海沿いを取材にまわり、海に関わる方々の「懐の深さ」と「器の大きさ」に感動。
この取材をきっかけに、夏は子連れで海のイベントをはしご、すっかり海が好きになってしまいました。秋田の海最高!
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